ディメンションW 岩原裕二

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第4の次元からエネルギーを供給する装置・通称コイルの発明によりエネルギー問題が解決した未来。正規ではない不正なコイルの使用は電力の不正使用ということで厳罰の対象となっている。
主人公はそんな不正コイルの回収を生業とする青年。ある以来の最中、彼は涙を流す謎のロボットの少女と遭遇する彼女は行方不明とされるコイルの発明者の近しい者で発明者は彼を捜索する公的組織を前にして死亡、残された少女は青年の所属する回収屋に居候することになる。
義体とか電力コイルとか昔から鉄板のSF要素を組み込んだ骨太な構成に、等身大の人間ドラマとサスペンスを加味させアクションを含めたエンタメも内包した内容。
作りこまれた世界観は、ともすれば敷居が高い印象も受けるが、危険性を含めたコイルの本来の姿というか謎が物語の主軸となっているのでとっちらかった印象はない。物語の主たる視点がブレていないのも良いところ。
主人公はコイルの使用を拒否し重課税のガソリンを使っているがコイルのある危険性を知っているから、など、主要登場人物は主題に対し、各々だけの事情を持っていたり情報を持っているかんじなのが個人的に好み。

岩原裕二
ヤングガンガンコミックス1~ / スクウェアエニックス
ジャンル:青年・SF / 好み度:★★★★☆