珈琲と白昼夢・箱庭のあぜみち・ぼくのすきなものを収録した短編集。
珈琲と白昼夢
とある珈琲店に侵入した少年はその店の店主に捕まる。実は少年は普通の人間ではなく・・。
が、店主は飄々としており少年の正体も知っていた。というのもその店には
少年と近しい者達がわんさかといるから。
ワケあり少年はその店で働くことになり、少年がいまそこにいる理由も徐々に明確になる。
少年が持つ少年の姉への思いが主軸となっており、じわっと心に染みる話だった。
箱庭のあぜみち
田舎に住む祖母に都会の家に同居するよう両親に説得を促された少年。
田舎の祖母の家に着いた際、昔なじみの少年と再会する。
幼馴染みの少年と主人公の少年の各々の思いを巡り、ゆるりとじわりと流れる
家族という名のドラマが描かれている。
ぼくのすきなもの
現代社会の学園ものだが、魔法が当たり前に存在する世界観。
魔法使いの少年は、文化祭の準備に忙しい同年代が通う普通の学校を
のぞき見した際、ひょんなことから認識され、文化祭準備を一緒に行うことになる。
一般人と魔法使いの軋轢が背景にあり結構深いドラマ性があった。
でも物語自体はどこまでもふんわりとした青春もの。読後感良。
絵柄はざっくりとした線画に好感の持てるいい意味で癖のない絵柄。
読んでいてほっこりする話が多かったが作中はきちんとメリハリがあり
盛り上がりのあとのハートフルの構成が絶妙と感じた。
右田いこい
アヴァルスコミックス全1巻 / マッグガーデン
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆