ラチェット・シティほか青年漫画3件 


ラチェット・シティ(ビームコミックス) 山下ユタカ
伝説のバイク・ヤマハXJを巡る主人公の男子高校生をはじめとしたオトナや学生やらの騒動を描く話・・でいいのか?主人公は同級生や上級生などにイジラレる側の男子。卯建の上がらない日常の中、あるバイクを見かけて目が輝く展開。不良とか輩タイプばかりの登場人物によるパンクなノリ。一見雑なようで細かいところまできちんと描いている画となんのかのとエピソードが多いところは良い。とはいえ個人的にはこのテのジャンルは何度読んでも馴染めないので流し読み。


今日もいい天気(アクションコミックス)山本おさむ
田舎暮らし編と原発事故編がある。続編もあるかな?仕事場は埼玉だが自宅は福島という著者夫婦の生活を綴ったエッセイもの。田舎暮らし編は福島の暮らしの中の様々なエピソードをコミカルに綴っている。原発事故編は副題通り震災の体験談。地震発生当時は著者は埼玉におり、家族は車で早々に非難。福島に家があるが戻るか否かの葛藤、原発や政治家に対してなど様々な思いを綴っている。その中で放射能が検出されない米作りの話もあり、科学的側面からの挑戦が興味深かった。


昭和の中坊 (アクションコミックス)吉本浩二・末田雄一郎
昭和52年の中学生男子の生態?を描いた昔を懐かしむタイプの作品。インターネットはなくビデオも普及していないため今と違いエロの情報や燃料を入手するのは中々困難だった昭和時代。そんな時代の性に目覚めたばかりの中坊の飽くなきエロに対する探究心を描いた迷作。濃いというかエネルギッシュというか、昭和の良くも悪くも大らかな時代を如実に描いている。エロ関連ではあるが昭和の文化が垣間見えるのは興味深かった。