中華料理屋の女店主の河本さん、バイトの田中くんや12歳のこども料理評論家の寧さんを中心としたご近所コメディ。
幼い愛らしいこどもがとある大衆食堂で食事中、大人同士の喧嘩が始まる。喧嘩は出される食事がまずいのが原因だが、そのこどもは理路整然とその料理の欠点を指摘しきっちり完食した後礼儀正しく代金を払い出て行く。そのこどもは著名なこども料理評論家だった。こどもはその帰路でヤンキーに絡まれたところを個性的な中華服を着たナイスバディな女性の介入で難を逃れ、その後入った中華飯店で何でも無い料理に郷愁を得る。その店は先だって助けてくれた?女性の店だった、というはじまり。
そんなかんじでこども料理評論家は自由人な料理店店主の河本さんと出会い、その後店の二階に住むようになる。一見料理評論的な中華系グルメものかと思ったけどそうでもなく、中華街ぽい地域でのご近所コメディといったかんじの内容でした。バイトの青年とかその幼なじみの少女とか大手中華料理店のお嬢とか個性豊かな面々も登場。脇キャラもなかなかに個性的だが、やはりヒロインたる河本さんと評論家の寧さんのキャラが突出してるかな。河本さんの自由すぎる言動は見事というほかなく、寧さんの、大人びた言い回しが多いし理知的な気質を漂わせていてもこどもらしい表情を見せるところがツボでした。
なんというか漫画的突き抜けたドタバタ展開もあれば妙にリアリティのある面もあるという不思議な作風。バカ展開あり、ちょっとほろっとするドラマ展開あり、何でもあり(笑)
絵が綺麗で読みやすいところも好みでした。著者って話の雰囲気に合わせて絵を調整するのが巧いなあと思う。主題があるのかないのかよくわからない内容なのでおすすめ!とまで行かないけど娯楽ものとしては楽しめる内容だと思う。
目黒三吉
アーススターコミックス全3巻 / 泰文堂
ジャンル:青年・コメディドラマ / 好み度:★★★★★