たそがれたかこ 入江喜和 


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実母と二人暮らしのバツイチ四十路の女性が主人公。
自転車で社員食堂のパートで働き、ボケかけた母の世話と家事をこなし、
たまに、元旦那の家族と暮らす実娘が遊びにくる。
そんな生活の中、夜中に涙が溢れ、起きて川の畔で一人酒を飲んでいる
ところ呑み屋を営む男性に声を掛けられる。
主人公は不登校の経験があるほどに他者とのつきあいが上手くなく、
それは現在も変わらず、母親の会話も苛立つことが多くて、
楽しいと思う時間があまりない人のよう。
そんな中で、ひょんなことから呑み屋経営の男性と知り合ったり
心がアガる音楽に出会ったり・・家族間の迷い事があったりと
話が進んで行く。
実母とのやりとりの雰囲気とか実母の人となりの描写を見ると
ほんと身につまされる。知り得ることを理解しない、
自分の理屈を押しつける。悪気がないだけに質が悪い。
人間関係の齟齬というか歯車のかみあわなさというか。
主人公の心情の描写が詩的で秀逸なだけに心に染みる。
その後のエピソードも現実世界であるあるなところが多いかも。
リアリティを切に感じるだけにもやっとというかもさっとというか
なんとも言えない気持ちになってくる。
共感、になるのかなあ、ちょっと違う気もするが、

入江喜和
BE・LOVEコミックス全10巻 / 講談社
ジャンル:女性・ドラマ / 好み度:★★★☆☆