恋は雨上がりのように 眉月じゅん 

無口でクールな雰囲気の女子高生は、バイト先のファミレスの四十路の店長に秘かな恋心を抱いている。海辺の町を舞台に描かれる青春物語。
主人公の女子高生は、かつて陸上部で陸上に傾倒し有望な記録も保持していたが怪我により部を離れている。その宙ぶらりんの状況からバイトを始めるも、心情的に先に進めず停滞している印象。
一方主人公が恋心を抱く対象のバイト先の中年の店長は人生の折り返し地点にたつ冴えないおじさんなのだが、かつて青春時代に置いてきた熱情というか夢というかが奥底にある、というかんじ。
そんな二人が織りなす、恋物語といったところか。各々の人生においての思うところの選択と落としどころ、そして二人の恋の行方を軸に展開される青春ものといったところか。
思春期の少女だけでなく、中年おじさんの青春も描いていくところがミソか。
恋愛方面は、青年向けレーベルというのもあるのかもしれないが、
双方、勢いだけでなく恋愛以外の背景があり、地に足のついた展開だなと感じた。
大仰な演出より、さらっとしたリアルさを堪能出来る作風が印象的だった。
主人公が、中年店長に惹かれるのはなんとなく共感できるなあ。
店長は、キャラデザ的に毒気のない後藤隊長(バトレイバー)みたいだなあとおもった。めっさ好み(笑)

眉月じゅん
ビッグコミックスピリッツ全10巻 / 小学館
ジャンル:青年・青春ドラマ / 好み度:★★★★☆