幻影奇譚 いなだ詩穂


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祖母のいいつけをやぶり夜の外に出た修と彰、花乃子は百鬼夜行の行列に出くわしてしまう。3人は逃げるが花乃子は逃げ遅れそれから神隠しにあったように行方不明になる。それから10年程たったある日、彰は成長した花乃子の姿を見る......。人の心の暗い部分をノスタルジックに描いたオムニパス集。
怪奇系要素が入ったファンタジーサスペンスといったところでしょうか。時代設定は明治中期から昭和初期くらいで、1話1話はまったく別の話です。登場人物の感情の吐露や幻想的な演出が見所です。作者の描く絵は黒と白のコントラストが絶妙で、それによって物語の神秘性が一層増しているような気がします。個人的に絵柄がとても好みだったり。個人的に一番好きだったのは「現夢」かなあ。彼らのその後も見てみたいなあと思いました。
同時収録の「背中ノ思イ出」は学園ものです。主人公の心理描写がせつなかったです。

いなだ詩穂
花とゆめコミックス/全1巻/白泉社
ジャンル:アメージング・オム二パス/好み度;★★★★★
同時収録:背中ノ思イ出