人類が病原菌によって絶滅の危機に瀕した未来。遺伝子操作で生み出された人間とサルの混血・エイプマンにまつわる物語。
作者のSF系(に限らないですが)の物語は考証がしっかりしている上に唸ってしまうほどに人間の性(さが)が克明に語られています。これもその1つ。新しい種に対する人間の、差別を含めた拒否反応のようなものが生々しく描かれています。1作目の構成は衝撃的で、2作目の、エイプマンが人間に対し、超人的な力で圧せず、逃げもしない様はリアルさを感じました。現実でも似たようなことがあるよなーと。構成が巧みでいろいろと考えさせられる作品です。遺伝子操作に対する警鐘も含まれているのかも。
柴田昌弘
ソノラマ文庫全1巻/朝日ソノラマ/
ジャンル:SF・オカルト/好み度:★★☆☆☆