作者の初期SF短編集。ジャンル的にはSFでいいんでしょうか;
現代のありふれた生活環境の中に時空的な奇妙な体験をする人間を描いた物語が多いですね。SFショートショート小説みたいというべきか。SF設定が面白く構成もうまくまとまっています。ミューンのいる部屋は何度読んでもオチがわからないんですが;夢の境界線を逸脱して他人の夢を渡り歩く羽目になってしまった少女のお話「赤い壁」、何気ない行動からどんどん誤解されてにっちもさっちもいかなくなっていく学生のお話でラストでタイトルの意味が映える「母はやさしくほほえんで」、変わった発想だなと感じたタイムマシンパラドックスネタの「リディアの住む時に」が印象的でした。
佐々木淳子
ベルコミックス全1巻/フロム出版
ジャンル:少女・SFファンタジー/好み度:★★★★★
収録作品:赤い壁/のこされたこころ/ミューンのいる部屋/母はやさしくほほえんで/Who!/リディアの住む時に/メッセージ