深刻化する老人の自宅介護を支援するため厚生省は企業と共同で第６世代コンピューター搭載の全自動老人介護ベットZ-001号を開発する。モニターに選ばれ、ベットの中で苦しむ高畑老人に同情した看護生晴子は、ハッカーの老人達の協力でベットのコンピューターに侵入することに成功する。しかしそれによってベットは自我を持ち、暴走してしまう。
シリアスとギャグ・アクションが交錯するテンポの良い展開。そのせいか、老人介護問題という重いテーマにも関わらず見ていてテンションが下がりぱなしになりません。かといって主題がかすんでしまうということもありません。場面場面のメリハリが利いているので泣けるところは泣けるし笑えるところは笑えます。人物の表情や心理描写、アクションは見事と言う他はありません。ラストのオチ?は爽快の一言。変に引きずらない終わり方はかなりツボでした。厚生省の役人（中間管理職）さんが自分の仕事に誇りを持っているところに好感が持てます（方向性はかなりズレていますが）。個人的には、（じさま・ばさまッ子だったので）見るたびに一度は涙が出てしまう作品。
1991年映画８０分/堪能度：★★★★☆
[ＶＨＳデータ]
発売：ソニーミュージックエンターテイメント/製作：ムービック他
監督：北久保弘之/原作・脚本：大友克洋/Ｃ原案：江口寿史
出演：横山智佐、小川真司、松村彦次郎他
発行年月日：1991.12.21/時間：８０分
[ＤＶＤデータ]
・老人Z
発行年月日：2002.09.19/時間：86分/品番：SVWB-7119/販売：アニプレックス