香港黙示録1997界限街 ニ越としみ


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英国からの返還を3年後に控えた1994年の香港。この地は古来より陽龍によって守護されてきたが360年周期でやってくる、土地の地力が弱まるときを迎えていた。そんな中で香港を滅ぼそうとする英国政府と香港を守ろうとする人々との争いが始まろうとしていた。そして陽龍を封じる力を持つ一族の末裔フェイロンは否応なしに関わることになる...。
作者が香港に傾倒していただけあって、風水を重んじる香港の独特の雰囲気が見事に描かれた作品です。あいかわらず国家陰謀系の話はうまいなあと思いました。悪役のキャラも主人公側のキャラも物語の上での役割分担が出来ていて見ごたえがあります。
個人的にツボだったのは主人公と彼をサポートするサムラムのふれあいでしょうか。正直に言ってしまうと最初のころはこの2人ばっかり見てて話をよく読んでいなかった私(笑)。
この作品、謎が謎を読んだところで思いっきり中途半端に切れています。かなりスケールの大きい物語なだけに未完状態なのが残念なところ。香港が返還され、かなり経った今、再開されても当時のように楽しめるかは微妙ですが。

ニ越としみ
あすかコミックスデラックス2巻/角川書店
ジャンル:近未来・ファンタジー/好み度:★★★☆☆