時は戦国時代。織田信長・織田信行・津田信澄を中心に語られる戦国の世に生きる武士の物語。
若かりしころから絶命するまでの信長が描かれています。強烈な個性の兄・信長と性根の優しい弟・織田信行。戦国の世でなければそれなりに仲のよい兄弟であったろうと思う2人の交流が印象深いです。
話の筋道はほぼ歴史どおりながら、少女漫画らしい、深い内面を表現した人物描写に目からうろこが落ちっぱなしでした。この話を読んでかなり自分の中の織田信長像が変わりました。
織田信長というと終わりのころに自らを神として崇めたという話がありますが、信長がそれを行った理由の解釈が特に興味深かったです。思考がグローバルすぎて、狭い国土を奪い合う戦国時代の世には受け入れられなかった早すぎる天才信長。
本能寺の変を起こしたあの武将がキリシタンという設定に当時は驚いたものですがちゃんと元ネタがあったんですね。
神谷悠
花とゆめコミックス全2巻/白泉社
ジャンル:歴史・少女/好み度:★★★★★