のんきな性格の吸血鬼を通して見る人間の日常を描いたコメディ。
絵柄とか雰囲気はメルヘンチックなのですが、風刺のきいた話やほろりとくる切ない話が多いです。吸血鬼伯爵が日本に来たころの話とか餃子の実践販売をやっているおばあちゃんの話は泣けました...。
吸血鬼伯爵が主役だったのですが後半は前衛芸術家の女性吸血鬼カミーラのエピソードが多かったような気が。芸術家らしく彼女のエピソードは哲学的な内容が多いです。無声映画っぽい演出もいいですね。とことん納得するまで追及する彼女の姿勢はすばらしいというかなんというか。実際やりすぎると変な人に見られてしまう昨今の人間社会も表現されていたり。
山田卓司
ノーラコミックス全6巻/学習研究社
ジャンル:ユーモア・シュール /好み度:★★★★★