悪ガキトリオの一知・ブン・タル公と、ある研究所から逃げ出した人語を解するハムスター・ジーザスが織り成すドタバタヒューマンコメディ。
ごく普通の家庭に育ち元気いっぱいな「悪ガキ」3人組と知性派(?)な人語を解するハムスターたちを中心とした、家族の話や人間ドラマが綴られています。
個人的に懐かしい作品。初見が主人公たちに近い年齢だったためか彼らの視点や心理描写に共感することが多かった思い出深いタイトル。ラストのエピソードはマジ泣きしそうになったっけ。こどものころからバリバリ恋愛ものなやつよりこういうのが好きだったんだな。
こどもにゃ知ったこっちゃない大人の事情とか、良かれと思っての行動が報われないむしろ邪魔扱いされるやるせなさとか、確かなものを持つ友人に対する嫉妬と羨望とか。つっぱしってぶちあたって泣いて怒って笑って。
くったくのない3人の小学生の男の子たちの視点から見る社会の姿・人間の姿の描写、彼らが起こす大人からすればある意味滑稽なしかし彼らには真剣な行動の描写がすごくリアルでした。
経験値がまだ少ない幼い彼らと世界の間の潤滑剤として、大人と子供の中間であり固定概念にとらわれないハムスター・ジーザスが位置づけられているような気がしました。
当初花とゆめコミックス(白泉社)より発売、後にあすかコミックスにて再発売。
谷地恵美子
あすかコミックス全5巻 / 角川書店
ジャンル:少女・家族・ヒューマンコメディ / 好み度:★★★☆☆