義姉弟の愛を描いた「緑の黒髪」姉妹愛を描いた「シャボン」を収録した短編集。
再婚した両親の連れ子同士で血が繋がらない姉弟。幼いころ弟は姉の長い髪を切り、以来姉の髪は長く伸ばすことはない。根底は男女の間柄に近いけれど、家族で在り続けようとする。そんな鬩ぎ合いもあり、間柄に関係なくかけがえのない存在であることを認識したり。女性を強く意識させる長い黒髪を封じることにより、間に第三者を取り込むことによりバランスを保つ2人。しかし変化を余儀なくするときは確実にやってくる。
直球ではなくなんとなく2人は家族以上の絆を持っているのかなあという空気の描写が秀逸。シリアスだけど沈み込むほどに深い闇はなく、それなりに地に足をつけて生きている芯の強いキャラが印象的。
「シャボン」
東京に行っているはずの姉が地元で見かけられる。親が用事で不在になったとき一人で姉を訪ねる少女だが。東京に出てみるものの事故りそうになるわ姉は居ないわ財布は盗まれるわな状況下、事故になりかけたバイクの青年と再会、地元に送ってもらうことになるが。
尊敬していた姉が実は完璧ではないと知った思春期くらいの幼い妹の心情。特別と思っていた相手の知らない部分を知ってショックということか。おさまるところにおさまってよかったよ。
望月花梨
花とゆめコミックス全1巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ドラマ / 好み度:★★★☆☆