氷漬けで発見された人間から採取されたDNAで生まれた少年少女たちを巡る近未来サスペンスアクション。
少女・未織は幼いころからなんどか同じ男子に助けられるということがあった。そして16歳になったときその男子と再会する。
日本に住む主人公と彼女の窮地を助けた遼河、そして南米でテロリストとして生きる勇日の弟とその彼女、そして遼河たちの出生を知る大人たちを中心に描かれるSFサスペンスもの。
話の鍵は1999年に氷漬けで発見され後に消失したとされる人間のDNA。ネタばれになりますが、その氷漬けの人間のDNAから生まれたのが遼河たち3人で彼らを巡り宗教団体やら彼らの誕生に携わった研究者たちやらが複雑に絡まりあい物語が進みます。
年代を表記しつつ描かれSFを読み慣れない人にはわかりにくい面もありそうですが概ねこの手のSFものとしては王道なつくりか。ロマンスが重点に置かれているのは少女漫画らしい。
著者の作品としては珍しい重いシリアスと怒涛のサスペンス構成で、ある意味禁忌な間柄もあるという時代を感じるハードな設定でした。
普通の恋愛ものよりがっつり読めるジャンルかなあ。主要人物たちが幸せな結末でよかった。
岡野史佳
花とゆめコミックス全4巻 / 白泉社
ジャンル:少女・サスペンスアクション / 好み度:★★★☆☆