BLOOD―The last vampire 2000 玉置勉強


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2000年横浜。翼手と呼ばれるヴァンパイアを狩る役目を担う少女・小夜の物語。押井版映画のほうのBLOODのコミカライズ。
米軍身柄預かり、翼手とは日本刀で戦うという小夜の設定は同じですがストーリーも舞台もオリジナルなタイトルです。翼手がからむ事件が続き主人公は翼手を狩り敵と対峙する中で自分の存在を知るという展開。
好みは別としても玉置さんが映画BLOODの漫画版を描かれたのはぴったりだなあと思いました。闇の世界の静寂さの中に存在する狂気と狂喜。そんな雰囲気が十二分にかもし出されています。ただ情念描写重視というか理路整然と組まれた構成とはいいがたく、物語を読むというより雰囲気を観るタイプのタイトルかと。
グロい表現が多くラストも救いのない結末ですが、その悲哀と荒涼感が見所というべきか。陰鬱が限界に近くなるとかえって清涼感が沸き出す感じ。まあ吸血鬼という現実ではありえない要素が加わっているからそう感じるわけで現実的な要素しかない物語ならきっと鬱な気分になってしまうんだろうなと思ったり。

玉置勉強
角川コミックスエース全1巻 / 角川書店
ジャンル:少年・ダークアクション / 好み度:★★★☆☆