Madman Call(マッドマン・コール) 津寺里可子

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舞台は都市機能を有する巨大学園。成績や教師の評価によって生活水準も決定するというシステム。
主人公の伊亜良は携帯に奇妙な声と内容の電話をうけるようになってから、肉体の変化が見られるようになった。密かにあこがれる学校医の青年に相談すると彼女の肉体は完全な女性体ではないという。
どうも主人公には本来の人格があり、それを目覚めさせないために女性として生まれたようです。かつて羊水や胎盤といった胎児を育むものたちが人格を持ち彼女を守るという設定もあります。
幼くして死んだ幼馴染の男の子の姿をした人外の者と主人公による人間の命を駒にしたゲームが話の中核のようです。学校医と主人公、主人公に突っかかる不良タイプの男子クラスメイトを中心に話が回っていきます。
上の説明だとどんな話かわからないだろうな;すいません。染色体やら遺伝子やらと生体系要素と、霊体・前世・ファンタジー系要素を組み込んだ設定が印象的。とにかく特異な設定が多いんですよね。といっても読んでみると、話にまったくついていけないということはなく。設定はややこしいものの、人物たちのやりとりや心情描写は等身大というかなじみやすいからすんなり話に入れるのかも。
ミステリファンタジーな演出と妖艶さと怜悧な恋愛・人間模様の描写が魅力。どういう展開になるのかが読めず結果気になってどんどん読み進めたくなるタイプのタイトル。
シャンバラという作品の続編、というかその登場人物たちの子孫?たちの物語、ということらしいです。序盤の展開に説明が少ないなと感じたのはそのせいかな。

津寺里可子
プリンセスコミックス全7巻 / 秋田書店
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★★☆