破妖の剣シリーズ 厦門 潤 / 前田珠子

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前田珠子作のファンタジー小説の漫画化作品。創造神により創られた人間と魔性が住む剣と魔法の世界。人の血肉を喰らう魔性に対抗し得る能力を持つ人間が集う「浮城」は人間の唯一の対魔性機関だった。「浮城」に住み、妖刀「紅蓮姫」を繰る破妖剣士・ラエスリール、彼女の護り手である魔性の闇主、そして少年ザハトの物語。
魔性降臨は「白焔の罠」の、深紫絃韻は「紫紺の糸」のエピソードが元になっています。紅の魔剣碧の魔胎は先の2作よりかなり前の時代の「紅蓮姫」に関するエピソードで、原作者が原案の物語です。
小説の挿絵も厦門さんが担当しているため、違和感がほとんどありません。主役はラエスリールだし、原作では彼女の視点から展開されているのですが、まんが版はザハトの視点で描かれています。つまり、原作とは視点を変えているわけで、そのせいか、原作のイメージを損なわず尚且つ厦門さん色も良く出ている作品に仕上がっています。原作を読んだ人にも楽しめる内容だと思います。紅の魔剣碧の魔胎は他の2作とちょっと違うパターンなので厦門さんのオリジナル要素が多いのですが。それにしても厦門さんのザハトへの愛を感じるなあ(笑)

厦門潤/原作:前田珠子
ユーコミックスデラックス/集英社/全4巻
ジャンル:ファンタジー/好み度:★★★★☆