空から降りた小さくて真っ黒なこねこ・にゃこ太と庭師の青年の物語。
青年は小さなこねこを拾いにゃこ太と名づけ育てる日常。そして本当の親が出現したときにゃこ太は・・・。
この漫画における猫は猫耳としっぽのついた人間のようなキャラデザで、お伽話のような演出と画面構成が特徴。ほっこりとほのぼの、そして静かでせつない展開がじんわりと心に染みわたる、そんなお話。出会いも別れもそれは突然、だけど幸せな刻は確かに存在したのです。にゃこ太の育児奮戦模様は、猫という設定ながらほとんど人間の赤子の育児の様子ですな。
個人的にラストのくだりがあっさりすぎてちょっとびっくりました。いまいちということではなく、こういう展開と演出もありなんだと目から鱗が出たような驚き。
本編以外にも同じ世界観での番外編である野良猫くんの話も収録。
鈴木志保
ピアニシモコミックス全１巻 / ポプラ社
ジャンル：少女・ファンタジー / 好み度：★★★☆☆