日本を舞台に、国を滅ぼす金毛白面九尾の妖狐・玉藻をめぐる妖怪活劇絵巻。
天竺では華陽夫人・唐土では妲己として国を滅ぼしてきた金毛白面九尾の妖狐。その狐は日本に襲来、玉藻として国を滅ぼそうとしていた。天狗の子と噂される少年・鬼王丸は、玉藻の依代となった少女・藻を助けようとするが・・。
細く精密な線の美麗な絵による雰囲気満点の妖怪絵巻。絵と雰囲気だけで魅せる話かと思いきや、本筋は思いのほかシンプルでわかりやすかったです。そこにそれを持ってくるか、みたいな特殊な世界観にはびっくりしましたが。
人外の存在が人間には思いつかない科学技術を持ってくるということなので一応の整合性は見られます。吸血鬼ハンターDの設定に似ているか。
舞台はなんちゃって日本ですが、西欧妖怪やアジア圏のキャラや道満や平将門やら妖しい関係のキャラが総出演といった展開になってきている模様。エンターテイメントとしてはかなり興味をそそる内容かと思われ。
特徴のある絵は見る人によっては読みにくいかなあ。まあ本職だけあって絵面は申し分ないのですが、読み物という点では別問題か。
山田章博
バーズコミックスデラックス3巻 / 幻冬舎
ジャンル:青年・オリエンタルファンタジー / 好み度:★★★★☆