主人公の桜子は失踪した父親を探すために、正体は鬼の書生・一輝とともにロンドンにやってくる。霊能力を持つ桜子は、霊視により父親には猟奇殺人の嫌疑がかけられているものの生きていることを確信する。そんな中、桜子は何者かに拉致されそうになりそれをきっかけに人狼の英国青年と出会う。
19世紀末ロンドンを舞台にしたオカルトミステリ。鬼だ人狼だだ永遠の命だ反魂の術だといったオカルトな要素が当然のようにするっと出てくるタイプの話。
父の愛ゆえに妻を生き返らせようする望みをとめようとする主人公という流れと、幼いころから信頼と友情と愛情を持つ鬼の青年と主人公の少女、主人公に興味を持ち愛情を持つようになる人狼のロマンスエピソードが並列して展開されていきます。メインキャラのみならず敵キャラのドラマもしっかり描かれています。
基本的に凛としただけど少女らしい戸惑いも見せる主人公のキャラとか、美形で強い能力を持つ2人に守られる主人公という定番の状況がツボでした。
敵味方、ベクトルは違えど各々の行動の基本的な理由は愛であるというロマンスがこのタイトルの見所か。
田辺真由美
ボニータコミックス全5巻 / 秋田書店
ジャンル:少女・オカルトファンタジー / 好み度:★★★☆☆