兄弟神の月読により神の力を持つ手足や心臓を奪われ幽鬼に与えられてしまった日本神話の荒ぶる神スサノオ。自分の力を取り戻す過程で、心臓は交通事故で死んだ母親が拾い同じく死んだ娘に入っていることを知る。スサノオは娘から心臓をとることをやめ、心臓の力により生き返った娘を人界で見守ることにする。
舞台は現代日本に移り、スサノオの心臓を持つ娘が主人公のせりかであり、スサノオは彼女と同居する男性教諭に。月読がせりかの中にあるスサノオを心臓を奪いにきたことから、せりかはそれまで知らなかった自分とスサノオの過去を知ることになるという展開。
親子・家族のように暮らした相手に芽生える家族愛ではない感情描写などを含め、絆を深める主人公とスサノオの運命と恋愛模様や、スサノオの奪われた能力がらみのサスペンス展開とそれに伴うキャラの描写が見所。
２人がキスすることによりスサノオの力が戻り障害を打破するという設定は少女漫画ならではというべきか。せつないというか甘酸っぱいというか互いを想う柔らかな雰囲気の恋愛描写とかせりかの一生懸命さとかスサノオのかっこよさとかドストライクな少女漫画展開が印象的でした。フォロー役・名脇役のおっさん神様・猿田彦も個人的に好き。ほんといいキャラだなあと思う。
SALADA
ボニータコミックス全４巻 / 秋田書店
ジャンル：少女・ファンタジー / 好み度：★★★☆☆