アリーズ / アリーズII 冬木るりか

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ハデスとベルセフォーネをはじめとし、かつて神話時代のオリュンポスの神々だった人間たちが織り成す愛と戦いの物語。
かつて神話時代の神々だった人間たちが織り成す愛と戦いの物語。一言で言うとギリシア神話と前世ネタを足したファンタジー&ラブロマンスといったところか。
ギリシア神話の神々の前世の記憶を持つ人間たちが主人公の中に眠るティターン神族再興のカギを巡り争うという軸と、前世で悲劇の結末を迎えた恋人同士の恋愛の行方という軸をすえた構成。
主人公の少女亜理沙は女神ベルセフォーネ、幼馴染の少年・翔はハデスの生まれ変わりで、前世の記憶を取り戻していない亜理沙を守るため前世の記憶を持つ翔が彼女を守るという構図。前世の因縁が現代に持ち越されてドラマが展開というかんじ。ここでもやっぱりゼウスは悪役ですなあ(笑)
記憶を持つものは当然のように前世の話を持ち出すので現代が舞台ですがほとんど神話時代の話と見ていいような印象。あとけっこうぼろぼろ人が死ぬのにどうも緊迫感がないなどどうもリアリティに欠けるところが多いのが木になりました。普通学内で人死にがあるともっと動揺してもいいんじゃと思うんだけどねえ。本編とは関係のない部分ではありますが終始表現力の薄さを感じざるを得なかったり。
とはいえ、すれ違いをはじめとするドラマチックな展開のロマンスという点では対象年齢の女の子たちが好みそうなツボはおさえてあると思います。読めばそれなりに引き込まれるのですがやはり整合性が乏しいのが引っかかる私。フィクション特有の怒涛な展開を楽しめる人向けか。
続編「アリーズII」も発表されました。今度はハデスの生まれ変わりが記憶を取り戻していないパターンのようです。恋愛の戦い方面の展開が前作よりエグい・・もといドラマチックになっているなあと思う私。

冬木るりか
アリーズ / 秋田文庫全10巻 / 秋田書店
アリーズII / プリンセスコミックス全10巻 / 秋田書店
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆