夜叉鬼想伝 中川勝海

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今上帝の隠し子の藤峰と人に紛れ生きる鬼の一族の者たち。平安の世を舞台にしたドラマチックストーリー。
耽美かつ綿密な絵柄による絢爛豪華な平安時代の描写、鬼と人の業と愛の演出は質が高いと思われ。
しかしストーリーはというと、正直本当にわかりづらかったです。平安の時代は呼び名が俗称だったり本名だったり階級だったりというのもあるのですが、キャラを覚えるのに一苦労。1巻では人物が把握できず2巻の登場人物紹介でやっと理解できたという(単に私の飲み込みが悪いだけなんですが)そして人物相関がまたややこしい。そこがこの作品の醍醐味なんだろうけど。
とりあえず帝の後継者問題で藤峰が狙われているのと、かつて人間に追われひっそりと暮らした鬼の一族たちに危機がやってくるというバックボーンはなんとか読めた。愛憎劇というにはドロドロしきってなく、ところどころコミカルな描写もはさみつつで、じっくり読むと味が出てきました。
かなり盛り上がりを見せた6巻で未完状態の模様。

中川勝海
あすかコミックス6巻 / 角川書店
ジャンル:少女・古典ファンタジー / 好み度:★★★☆☆