花吹雪デンゲイ野郎 麻々原絵里依


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デンゲイって伝統芸能の略か。歌舞伎の家に生まれながら、気鋭の兄が継ぐものと役者の世界に興味がなかった弟が主人公。ある日父親が、兄と、同じ歌舞伎の家の出で、幼馴染でもある役者の瑞希の関係が怪しいと調べるようにいわれたり、瑞希の妹で主人公が密かに思いを寄せている椿が芸能界入りすることにショックを受けたりという事態に。
そして兄は外国人の音楽家と駆け落ちし、主人公が代役で舞台にたったことから主人公は梨園の世界に興味を持ち始める、という流れ。
こう書くと一種の青春スポ根ぽく感じるかもですが、作品の雰囲気はそういう泥臭さとは対極というかどこまでもスタイリッシュというか淡白というか。コメディ直球というほどくだけてない気がするし。
各々の進む道の模索だったり恋愛のあれこれだったりが展開されているのですが、わりとトントン拍子で苦悩とか心情描写もかなりあっさり。個人的にはこのさっぱり感は好みですが、情感が高い演出を好む人には物足りなさを感じるかも。
巻数のわりにエピソードは多く用意されているし自然に組まれているので楽しく読めたタイトルでした。

麻々原絵里依
あすかコミックス全2巻 / 角川書店
ジャンル:少女・青春 / 好み度:★★★☆☆