1000年女王 松本零士


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時は1999年、千年周期で地球に接近する巨大遊星ラーメタルを巡る物語。事故によって両親を失った少年始が、ラーメタルを研究する叔父の所に身を寄せ、その助手・弥生と出会ったことから物語は始まります。
ラーメタルから千年ごとに地球に送り込まれたという1000年女王、今度の接近で地球に衝突するというラーメタル、ラーメタルの指導者の真意、いろいろな謎とからくりが用意されている、竹取物語をモチーフとしたSFおとぎ話。 よく言えばダイナミックな悪く言えば荒唐無稽すぎる発想が随所にちりばめられていますが、戦士ではない女性が物語の中核を担っているせいか、他の作品と違う印象を持つ作品です。男のロマンと冒険をテーマにした雄々しさよりも優しさが強いというか何と言うか。話の筋も伏線もぶつ切れですが読む最中は気がつかない不思議な吸引力のある作品。キャラの表情とか心理とか、説明があって初めてわかるというのはちょっと難儀でしたが。決闘の後、人が変わってしまったようだ、というキャラの説明がつけたしのようで、またその台詞がないと変化がわかりにくいというのはどうよ(読んだことのある人しか解らない話ですいません)。新聞連載だったらしいのでそういうことは考えてはいけないのかも?逆につぼだったのは1000年女王の冠。私はこれでこの作品にはまったといっても過言ではないかも(笑)。

松本零士
小学館文庫全3巻/他 / 小学館
ジャンル:SF・少年 / 好み度:★★★★☆