死ぬことが許されない呪いをうけた魂「とかげ」は依り代である肉体を転々としていた。そして「とかげ」は主人公の少年が姉と慕う事故死した女性を依り代としたため少年が住む寺にやっかいになることになる。
「とかげ」は呪いをかけた者を探しており、また霊的な場を乱す存在として公的機関に追われていた。主人公と寺の住人たちはそのいざこざにまきこまれることに。そして主人公自身もとかげと因縁がある模様。ってなかんじ。
ある種の心地よいけだるさを感じる独特の雰囲気がおすすめどころ。登場人物の苦悩というか独白というかモノローグの演出が静かで、でも内に秘める炎のようなものを感じる絶妙さ。人の「業」をわりと突き詰めて描かれていますが消沈しないで読めますね。
もちろんムードだけではなく、ストーリーの構成も無駄が無いです。
人物描写重視の人にはおすすめのタイトル。絵も綺麗で画面を見るだけでも価値あり。
灰原薬
ゼロサムコミックス全3巻 / 一迅社
ジャンル:ダークファンタジー・ドラマ/ 好み度:★★★★★