DOLL STAR言霊使い異本 槇えびし / 里見蘭

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原作者の別の作品のスピンオフもののようで。
主人公が転校した学校のクラスには排他的な行動からいじめの対象になっていた少女・柚木乃々果がいた。いじめに意を介さず常に持つ人形にのみやわらかい表情を浮かべる乃々果を見る主人公。
一方主人公自身は苦しみから逃れるため人形を痛めつけていた。その人形の、持ち主である主人公の心の叫びを訴える声を聴くのは件の少女乃々果だった。彼女は相棒の人形とともに、人形の声を聴き人間の最も怖い対象の幻覚を見せる能力を持つ少女だった。
・・・わかりずらいあらすじですいません。作品としては特殊能力を持つ乃々果の物語なのでしょうが、最初のエピソードで乃々果に助けられた主人公の少女が、彼女の相棒役の立ち位置になり狂言回しの役割を担っている構成。
乃々果の能力とキャラクターの説明のためのエピソードから、幻覚を見せて自殺させる組織等々の登場で物語が拡大していっている模様。
けだるげな雰囲気を持つゴシックタイプの絵と妙にリアリティのある画面構成が特徴。人の心の暗部を的確に表現し、かつ読後感が悪くないところはいいなと感じました。まあ正直、最初のとっかかりは入りにくいなと思いましたが読み進めるうちに整理されていってます。1つ1つエピソードを消化していく形式なのが好印象。オカルト系人間ドラマが好きな人向け。

原作:里見蘭 漫画:槇えびし
マガジンZコミックス全2巻 / 講談社
ジャンル:青年・オカルトファンタジー・ドラマ / 好み度:★★★☆☆