神託を受けた羊飼いの少年は奇跡を起こし少年たちのみの十字軍が結成される。少年十字軍の12人の彼らを描いた歴史物語。
1212年のフランス北部の小さな田舎町から物語は始まる。町に住むさまざまな少年たちの日常における戦いが綴られる中、穏やかな気質の羊飼いの少年は喇叭の音に導かれ巨大なキリストと遭遇、喇叭とラテン語の神託を受け、盗賊に襲われた町で奇跡を起こす。その奇跡の子を中心に少年たちが集まり少年十字軍が結成され、彼らはエルサレムへと向かう旅に出るという展開。
実在する歴史でも存在する少年十字軍がモデルのタイトル。少年たちの無垢ゆえの残虐さ、生きるための非道、そして狂気などが鮮烈に描かれています。
神託シーンなど寓話系要素もありますが人間描写は生々しく悲しいほどリアル。絵が写実かつ芸術系ゆえによけいにそれが際立っているような気がします。実在の歴史の彼らの末をなんとなく知っている故個人的には薦めづらいのですが、作品としてのクオリティはかなり高いと思われ。
古屋兎丸
Fxコミックス全3巻 / 大田出版
ジャンル:青年・歴史 / 好み度:★★★☆☆