大正時代の東京を舞台に、二人の青年が体験する不可思議な事件を綴った物語。
分類的には怪談ものになると思いますが、おどろおどろしい雰囲気はなく、どこまでも透明でせつない物語ばかりです。生と死が交錯するという表現がぴったりの展開や演出・雰囲気は見事というしかありません。描写がとにかく綺麗で日本美を堪能できる画面構成です。大正時代の設定のためか台詞に古いかなづかいや漢字が使われているのも印象的でした。
それにしても「学園便利屋シリーズ」でも感じるのですが、主人公二人は不可思議現象に遭ってもさほど驚いていなくてなんとなく当然のようにその現象を受けとめていますね...。片山さんの世界では、霊的現象や不可思議現象は、特別なことではないということでしょうか。
ちなみに全2巻とありますがタイトルは「東京浪漫細工 」と「続 東京浪漫細工」です。
片山愁/ウイングスコミックス全2巻/新書館
ジャンル:ミステリー・ロマン/好み度:★★★★★