天は赤い河のほとり 篠原千絵

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普通の中学生鈴木夕梨は、古代ヒッタイト帝国の皇后であるナキアの謀計でいけにえとして古代ヒッタイト帝国に召喚される。状況のみえない夕梨は偶然出会った第3皇子カイルに助けられるが・・。
古代ヒッタイト帝国を舞台にした壮大なスケールのストーリー展開、鮮烈で細やかな人間描写が見所の時空を越えた大河歴史ロマン。夕梨とカイルをはじめとする登場人物たちの恋愛描写は情熱とせつなさで満ちています。戦争や策略といった要素のある息をつかせぬ展開に目が離せませんでした。また心にずしっとくる台詞が多かったのも印象的でした。主人公が自分の運命をなげく守られるだけの人間ではなく、望郷や恋愛の苦悩や自失があっても自分を取り戻し前向きに行動するところもよかったです。現代人と古代人の考え方の相違みたいなものも描写されていてけっこう勉強になることも。心理面、物語の構成の面からもかなり読み応えのある作品でした。

篠原千絵
小学館文庫16巻/フラワーコミックス全28巻/小学館
ジャンル:少女・ドラマ/ 好み度:★★★★☆