月読 瀬野春紀 / 太田忠司

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人が死ぬとその場所に月導と呼ばれる器物が生じる。月導に込められた死者の思念を読む能力を持つ者「月読」を中心としたSFミステリー。
人が死ぬと発生する月導という特殊な現象とその月導を読む月読の存在が一般に知られている、また死に関する研究ばかりが行われコンピュータの類の技術は進歩していないという違い以外は普通の現代社会が舞台。
特殊な設定をメインにしたファンタジーかと思っていたら、月読設定を組み込んだ推理ミステリーといったほうがしっくりくる内容でした。
ある女性の変死事件に関わる月読の青年と一般人の刑事の話、月読に傾倒する義母を持つ少女と少女の友人の少年の話が交互に展開され後につながるといった構成か。月読という特殊な設定も月読の青年の無駄のない説明の会話によりすんなり理解できあとは物語に没頭できるつくりなのが好印象。
等身の高いどちらかというとリアル系のすっきりした絵柄が作品の雰囲気とあっています。ミステリとしては綿密なつくり、意外な展開の連続で読み応えはあるタイトル。

原作:太田忠司 / 漫画:瀬野春紀
ブレイドコミックスアルヴァス全2巻 / ブレイドコミックス
ジャンル:ミステリ・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆