同名ミステリ小説の漫画化作品。
学園祭の最中生徒の飛び降り自殺が起こった2ヵ月後の高校。仲良しグループ男女8人は各々校内に入るが、自分たち以外に教師も生徒も見当たらない、携帯も通じない、外へ出る扉は開かないという異常な状況に置かれていた。そして時計は2ヶ月前に生徒が自殺した時刻を示してとまっていた。
あきらかに現実ではありえない状況の閉じ込められ型のサスペンスミステリ。
主人公たちが置かれた状況と似た事例があるという設定があり、作中ではまったくありえないことではないというしっかりした説明があるため、違和感はさほど感じませんでした。
主人公たちを閉じ込めたのは自殺した人物という推測に至り8人の中に自殺者がいる、しかし8人全員誰が自殺したか思い出せない。そんな状況の中、登場人物が一人ずつ消えていく・・・。
消える人物側の描写は、その人物の心の闇に対し痛い所を突っ込む幻覚が登場しかつ自殺者が出た直前の状況をリピートして見せていくという展開。
緻密なストーリー構成と深みのある人物描写は秀逸と言うしか。最後まで読み応えのある内容なのは確かだと感じました。ミステリなのでネタバレできませんがラスト近くのインパクトは見事。
原作:辻村深月 / 漫画:新川直司
講談社コミックスKCDX全4巻 / 講談社
ジャンル:少年・ミステリ / 好み度:★★★★☆