遠くのどんな微かな音でも聞き分ける耳疾しの能力を持つ少年・旭の物語。
自分の持つ能力を隔離され利用されていた?ころに武将・景虎と出会い救われその能力を認め強くなれと告げられる。それ以来少年はいつか景虎の役に立ちたいと望み一人で生き抜いてきた。
そんな中軒猿という景虎の忍びに出会い自分も軒猿になりたいと彼らについていくが・・・。
恩のある人物の役に立ちたいと望んだものの世は戦国時代。ましてや忍びという役割においては、敵とはいえ女こどもの殺害、捕虜の拷問といった理不尽な場面にも多々遭遇する。
まっすぐな気性の少年にはそのまま受け入れられないことが次々とおこりそれに対する衝突や葛藤の描写が続きます。無情さとシビアさを避けずに描かれているのはいいのですが、正直読んでいて辛いところもあったり。ですが主人公がへたることなく信念は貫く姿勢なので途中で読みたくなくなることはありませんでした。
主人公が軒猿としてただの道具となるか他の選択ができるのかが物語の焦点になる・・のかなあ。主人公の能力にもなにか含みがあるようだし、主人公の記憶のイメージと現在の景虎のイメージが違うところとか景虎が主人公を覚えていないところとかが伏線になっているのか否かも個人的に気になるところ。
掲載誌休刊に伴い第一部完結という形になった模様。
薮口黒子
ヤングジャンプコミックス5巻 / 集英社
ジャンル:青年・戦国アクションドラマ / 好み度:★★★☆☆