特異と呼ばれる怪物が前触れもなく人を襲いいずこへと去ることがめずらしくなくなってしまった世界。不運な女子高生緑は特異と遭遇し、ひつじの角のある少女に助けられる。
少女は神であり特異を生み出した原因であり特異と戦う神たる存在だった。己の不幸の原因たる少女に怒りをぶつけるも、少女と共に生きる事を誓い特異撃退代行会社「ひつじや」を設立する。
スケープゴード(いけにえの羊)ならぬスケープゴッド(いけにえの神)か。いわゆるオカルト系・セカイ系の要素を存分に詰め込んだ壮大なスペクタクルアクション・・かな。普通こういう題材は複数巻でじっくり描くもんなんだろうけど1巻というコンパクトさ。しかしその情報量の多さとテンションの高さ、突っ走り度は1巻以上のものがあります。
まんがにはめずらしい各話に著者以外の作品解説があることといい各エピソードによって作風というか作品の雰囲気ががらりと変わったりするところといい、著者が実験的に構成を作り上げているような気がしないでも。でも随所に見られる大仰な演出は作者独自のものですよねえ。
主人公がレズ嗜好なのに意味があるのかと思って読んでいたんですが・・やっぱそれなりにあったのか。
怒涛の展開の末のラストは某悪魔の人のような展開で痛々しいやらせつないやら。最後のページのまとめかたはコテコテだけどなんか好きだ。
余談ですがセカイ系は男性のほうが好む傾向が強いそうで。つねに不安を持つのは男性のほうが多いのか。
高遠るい
電撃コミックス全1巻 / メディアワークス
ジャンル:青年・ダークアクション / 好み度:★★★☆☆