バーバ・ヤガー きづきあきら+サトウナンキ

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町内子ども会という閉鎖された集団の中で繰り広げられる「山姥」をめぐる人間模様を描いた物語。
事件があり中止され、4年ぶりに再開された子ども会のキャンプ。登場人物は幼少期から思春期の少女たちと引率する大学生、そして行方不明になった少女。みな4年前の事件に関して心になにかを抱えた状況で、嘘や策謀、愚直な思いや恋情、疑心暗鬼といった感情が複雑にからみあった人間関係がすごい。
いじめを受けた者がちょっとしたことで立場を逆転させる、多数の中の少数の意見は事実であっても忌諱される要因となる、客観的に状況を見る目を持つと思われた少女も恋をすれば盲目となる、保身のために他者の意識を操作する・・・ある瞬間残酷になれる人間の心理描写が鮮明。
集団心理をうまく物語に取り込んでいるなあと思うし続きが気になる展開。
しかしとにかく鬱というかぐだぐだな感があるブラックミステリーな雰囲気ゆえ、読む人が限定される懸念もなきにしもあらず。
余談ですが個人的には大学生2人にイラっときてます。その行動は本人が気がついていないなにかしらの理由がありそうではあるんですがね。あと作品にエロをからませたいという意向もあるのかもなー。

きづきあきら+サトウナンキ
MFコミックスアライブシリーズ全3巻 / メディアファクトリー
ジャンル:青年・ミステリ / 好み度:★★★☆☆