エイリアンが日常に存在する世界。小学校のエイリアン対策係になった3人の女子小学生たちの物語。
エイリアン対策係とは学校に現れたエイリアンに対して捕獲や撃退を行う係。現実の小学校における生き物係のようなものか。その業務は正反対ですが。
主人公の3人は、一人はやりたくないのに押し付けられた形で係になり常に弱気で及び腰のゆり、天真爛漫で優秀な能力を持つお嬢様なかすみ、面倒見の良いしっかり者人に頼られがちな優等生タイプのくみ。
少女たち以外では彼らの担当と指導を行う先生2人も登場。
なんというか不思議な世界観、小学生にそんな危険なことをさせるのかとちょっと面食らった記憶があります。泣き虫の少女が話の中ではうざったく感じますが実際この子が一番普通の考えだろうなと思ったりもする。
各々エイリアンや周りの環境に対する3人の少女の思うところを、直接的な表現でなく読者が感じ取る構成でつづられています。ゆえに共感できなければ意味がわかりづらいところもあるのですが。
あと、指導する先生たちの思惑も興味深い。普通の子供向けだとこういう先生の役どころは大変な役をやる生徒をフォローし愛情を注ぐってところでしょうが、この場合はそうでもなく。いや指導やフォローはするんですがね、あくまで自分本位というか自分のいいように少女たちを使っている感があるんですよね。いろんな画策をして少女たちを巻き込んでいこうとしているというか。
大人は必ずしもこどもを守るものではない、という現実をつきつけた設定に思うところもあったっけ。悲しいけど現実でもよくある話なんだろうな。
しかし結局話の大筋としては何が言いたかったのかよくわからなかったというのが正直な感想。1つ1つのエピソードは興味深く、どうなるんだろうとハラハラしながら読み進められる構成なので読んでいる間はすごく面白いタイトルなんですよ。設定がことのほか複雑なので私の読み込みが足りんだけなんだろうなきっと。
エイリアン9エミュレイターズはエイリアン9の続編シリーズ、後に後日談としてエイリアン9スペシャルが発表されましたが単行本には未収録の模様。
富沢ひとし
エイリアン9コンプリート/キャプテンREDコミックス全1巻/秋田書店
エイリアン9エミュレイターズ/キャプテンREDコミックス全1巻/秋田書店
ジャンル:SF・アクション / 好み度:★★★★☆