東京の地下結界を巡る戦いを描いたオカルトバトルアクション。
東京に張り巡らされた地下結界が次々と破られていた。結界を守護する一族の長である女性は結界を破る一派との戦いで命を落とす。そして一族の宿命から逃れるため渡米していた彼女の双子の弟である青年は一族の工作で帰国し、大学教授を表の顔に東京を守護する役目を継ぐことになる。
青年は東京を守るというより双子の姉の敵をとるということで戦いを決意するという感じ。悪霊や結界、風水による都市計画。都市型オカルトアクションとしては定番の要素ばかりの内容ですがそれゆえにすんなり話には入ることができます。定番ゆえの安定感というか。敵方の策謀のアプローチの演出とか主人公と姉の過去と経緯とかバトルアクションとか型どおりでない魅力もそれなりに感じましたが。個人的には人物の感情吐露描写がくどくなかったのが好み。
あと、先に亡くなった主人公の姉から何らかの影響を受けたらしい女の子とか主人公に興味を持つ大学生とか無関係の一般女性が何人か関わるようで、そのあたりからどう話が膨らむのかがポイントかな。
オカルト系によく似合う絵柄で無駄な線が少なく見せ場に惜しげなく大ゴマを使う構成で読みやすい作画なのも魅力。でもやっぱりオカルト系の話を読みなれた人には抜きん出たものを感じないかも。あとどちらかというと映像向きな内容かなと思いました。
原作:俵喜都 / 作画:麻生我等 / 協力:牛山拓二+稲葉尚人
ヤングガンガンコミックス全5巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:青年・オカルトアクション / 好み度:★★★☆☆