霊的な獣を宿す存在と獣の餌となる存在を描くオリエンタルファンタジー。
神獣を身体に宿す者を獣飼、神獣の餌となる要素を持つ者をドナー(病腫体)と呼ぶ。獣の餌はドナーが持つ病巣のようです。
1話目は足に怪我を負い落胆する陸上部の武司に、銀狼を宿す信彦が彼をドナーにすることにより足を治すというもの。このエピソードの終わりに種明かしのようにストーリーの根幹となる神獣の設定が説明されます。2話目は、霊山にある集落の長であり最強の神獣を持つ青年と彼の最後のドナーである少年の物語。神獣の特性、獣飼とドナーとの関係とかが詳しく描かれています。
男らしい肉体の青年と女の子と見まごうテンションの高い幼い少年という組み合わせはやっぱり作者の得意分野なのか(笑)この2人のやりとり、青年が少年を愛するが故に気遣い、少年は青年を慕い無二の存在になりたいと望むというシチュエーションはやっぱり好みですな。せつないいちゃいちゃが好きな人にお勧めっす(笑)
以降、1話目の銀狼の信彦も登場。いろいろあって長の青年は長年考えていたあることを決断し宣言するってところで終了。なんかかなり駆け足で終わらせたって印象が強いです。個人的には人物間絵系やファンタジー設定がすごくツボだったのでもうちょっとゆっくり描いてほしかったかな。
レーベルからしてBLってわけじゃないはずですが、設定の言葉の選択とか主要人物のやりとりとかはBL風味。まあ著者の作品はぶっちゃけBLレーベルだろうとそうでなかろうとあまり差異はないんですがね。
南京ぐれ子
ゼロサムコミックス全1巻 / 一迅社
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆