忍者飛翔 和田慎二

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赤穂梅市の伍堂家の一人娘真琴、元乳兄弟で、母親が死亡してから伍堂家の庭師兼真琴の下男として働くね太郎、そして真琴を影で守る謎の忍者飛翔の物語。
一作目は伍堂家に伝えられる黄金伝説をめぐる、かなりハードなアクションもので、それ以降は真琴とね太郎(と飛翔)に起こる事件を描いた短編シリーズになっています。死人続出のハードなものからほのぼのなもの、アクション重視のものと各種とりそろっていますという感じです。飛翔の正体は秘密です。読者にはあからさまにわかりますが秘密のようです(笑)
昔の武家を連想させる確固たる主従関係、性質にかなり難有な敵という実に時代錯誤な雰囲気ただよう現代忍者モノ。今日びこれはないだろうというようなアナクロ要素満載にも関わらず、時代遅れという感じが薄く、違和感なく読ませてしまう勢いがあります。飛翔の真琴のね太郎に対する感情や彼らの関係の描写、飛翔の忍者アクションと飛翔と真琴の会話が見所でしょう。
はじめは少女誌に発表されていましたが現在は青年誌の方で発表されているようです。明日香シリーズと同じく、青年誌の方がしっくりくる内容な気がします。水戸黄門の由美かおるの入浴シーンのごとく、なぜか1話に必ず真琴の入浴シーンが入っています。作者も気合をいれて描いているそうで...。それにしても真琴が入浴の後ね太郎に身体を拭かせたり身体を洗わせたりしていることにためらいがないのが不思議でなりません。それらはね太郎の「仕事」だからということなのでしょうか。

和田慎二
雪の章/桜の章/風の章/塔の章 /絆の章 / 塔の章 / 各1巻
備考:コミックス未収録のシリーズ読みきり1作あり
MFコミックスフラッパーシリーズ/メディアファクトリー
ジャンル:少女・青年・アクション/好み度:★★★★★