マリオネット 愛田真夕美

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一言で言うと貴族の少年ダニエルを中心に繰り広げられる愛憎劇で、近代貴族社会を舞台にした近親相姦やら悪魔信仰やらかなりミステリアスな内容。シリーズものですが、花とゆめコミックス収録時、一作目(「マリオネット」)は「とっておきのA・B・C」に同時収録されていました。一作目を描いたときはシリーズになるとは思ってなかったんですね。
このシリーズは大きく3つの段階に分かれます。主人公・ダニエルの描き方が段階によってまったく違うんですよね...。一作目と「白い闇は魔女」「猫の目」「鳶色の童話」の短編の時は殺人に荷担したり破滅させようと細工をしたりと背徳というか悪魔的魅力を持つ美少年って感じです。「ガラス細工の森」「鍵」「カシスの庭」では悲劇の少年になり「黒のコレット」では悪魔信仰団体から女性を助けるヒーローになってます。私はどちらかというと初期短編の方が好きなのですが物語的には後期のほうが読み応えはあると思います。「黒のコレット」でひとまず物語は終わり、ダニエルの息子へと物語は続いていくようだったのですが短編1本のみでした。
後に文庫としてシリーズ作品はまとめられました。

愛田真夕美 /白泉社文庫/白泉社/全4巻
ジャンル:少女・ミステリー/好み度:★★★★★
備考:花とゆめコミックス収録時のデータ
同時収録作品(絶版コミックス内):チャイナ・ドール(1巻)/ヨコハマ・ちーく(8巻)/手鞠歌の森(9巻)