少年怪奇劇場をAmazonで見る
※仔鹿狩りは絶版、少年怪奇劇場に収録作品はすべて再録されています。
少年怪奇シリーズの3巻目。それまでは1話は独立した全く別の話だったけどこの巻は2巻のディープフリーズと同じ世界観で続いています。別々の話だけど繋がっているという構成。
今回はまんま怪奇というかホラーな雰囲気が前面に出てましたね。2巻目まではどちらかというと不可思議で人の温かい部分が描写された物語が多かったですが、今巻の1~2作は人の心の影の部分が描写されていたように思います。常識とか対面とかそういうのをとっぱらった状態で、さみしくて苦しいときに吹き出る感情の描写は鬼気迫るものがありますね。自分の価値観を否定されるいたたまれない気持ちがリアルに表現されています。
3作目はせつない系。1話目で植物状態だったけど復活した川村君と復活後彼女になった女の子。彼女のメール友達のお話。スイッチが入るといてもたってもいられなくなる創作の情熱があるってちょっとうらやましいですね。彼女のメール友達の「現象」が恐怖よりも人のせつなさを感じます。
ただ恐怖を描写するのではなく人の心の深遠な部分に触れるような物語ばかりです。
少年怪奇シリーズ3 /あすかコミックス/角川書店
ジャンル:少女・オカルト・ドラマ / 好み度:★★★★★