昔から教師が苦手で教師側にもいい印象をもたれない女子中学生が主人公。主人公の担任の男性教諭・広田は、生徒に人気があり主人公の親友もまた好意を持つ。親友が過失で広田に怪我を負わせた事件から、主人公の口の固さや本質を知る広田は彼女の人間性を認める言葉をかける。それに感銘した主人公は、「先生」である広田に心を開いていく。
教師と女子中学生の恋愛を静謐に描いた物語。主人公にとって、教師は自分を理解してくれる先生から特別な存在になり、教師は生徒である主人公を一人の人間として好意を持つ対象としてねじれた感情なく見守る。節度を保ち愛情を育む過程は純愛と呼ばずになんと呼ぶか。
繊細で緻密。教師と生徒という距離とそれを徐々に縮める過程。教師に好意を持つ主人公の親友はネックな存在になるかなと懸念したのですが、2人の良き理解者という立ち位置でした。
ラストはよく言えば余韻がある、悪く言えばぼんやりとした終わり方。まあその後の想像を駆り立てる構成ではありますが。
望月花梨
花とゆめコミックス全2巻 / 白泉社
ジャンル:少女・恋愛・学園 / 好み度:★★★☆☆
リアルで教師と生徒だったカップルを知っていますがこんな感じで気持ちを育てていたのかなあと漠然と感じたり。