著者の青春時代や幼少期等過去を振り返りつつ恋愛や人生の選択や日常を綴ったエッセイ漫画。
この著者の漫画は何作か読んだことがありますが、表題を見てあ、そういやうまいとはいえない絵かなあとはじめて気がついたという(笑)著者の作品の味は会話やモノローグの台詞からくるので絵を意識してみたことなかったよ;
単行本未収録の4コマや同人誌発表作、読みきり漫画、対談にコラムと表題作以外のほうが多いごった煮な構成。
昨今、漫画家のそれなりに大成するまでの苦労話なエッセイが増えていますがこちらはその苦労系は少な目かな。奮起するまではいろいろ悩んでいたようですが漫画家になろうと思ってからはとんとん拍子だったみたいだし。
そのせいなのか、学校時代の恋愛経験を描いたものが印象に残っています。漫画家になるような感受性の高い男性は恋愛のときにこういうことを考える場合もあるのかーとちょっと新鮮でした。恋愛経験少ないし男性側の恋愛関係の心理面の突っ込んだ描写はあまり見たことがないので。なんとなくわかることもあればそこはちがうんじゃと思うところもあり個人的に興味深かったです。
通して読んでみるとやっぱり著者は言葉を知り巧みに使うなあと思いました。編集担当との会話はボケ突っ込みが効いてて漫才を見ているような臨場感がありました。他の漫画での担当の会話に比べて勢いはあるのに殺伐としていないのは著者の演出のなせる技か単にそれなりに2人の相性が良いのか。
施川ユウキ
ヤングチャンピオンコミックス全1巻 / 秋田書店
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★☆