海の泡となった後、海の底にいる人魚姫がタコとイカと共に、海に沈んできた様々な人間の「思い」をすくいとるという4コマ漫画。
主人公であり狂言回しである人魚姫はタイトル通りのやさぐれ系でトウが立っているというか達観しているというかそんなキャラ。三白眼っぽい顔が一層それを際立たせています。
沈んでくる人間の思いは当初彼らにも全容がわかるわけでなく徐々にその意味がわかるという構成と、やさぐれつつも姉御肌な人魚姫がきちんと沈んできた思いを汲み取りその未練を解消させていくという展開で、人間描写に主点を置いたストーリーを堪能できると思います。
少しの教訓と人間模様をテーマにしつつもシリアス一辺倒でなく、人魚姫の脇にいるタコとイカによるコミカルなネタも交えています。4コマ形態なのでなにかしらギャグで落とす部分も必要だったのかな。
しかしタコとイカのはしゃぎっぷりがすごくてどうもとっちらかった印象を受けます。もう少しギャグ面を抑えてもよかったんじゃないだろうかと思うのですが。微笑ましいけどね。
まあおおむね楽しめる内容でした。御伽噺のイメージである純情可憐ではなくやさぐれた人魚というインパクトのあるキャラ設定が好きでした。御伽噺のあのシーンの回想も感慨深かったです。
巻の初めのころはすっきりした絵柄だったのですが徐々に強弱が強いペンタッチの絵柄に変化していってます。
小池田マヤ
バンブーコミックス全1巻 / 竹書房
ジャンル:4コマ / 好み度:★★★☆☆