離婚し駅近くに便利屋事務所を構える多田は仕事帰りに高校の時の同級生・行天と出会う。行くあてのない行天は多田の事務所に転がり込みともに仕事をこなしていくようになるが・・・。直木賞受賞作のコミカライズ。
事務所と自宅が兼用、男２人のバディものとコメディタッチのハードボイルドドラマを彷彿とさせる設定。なにかしら難儀な過去もしくは性質を持つ２人の男性が仕事依頼から関わる事件を描いた物語で、邦画のたるーっとした雰囲気の中で描かれる笑いとしんみりするドラマ。そしておそらくは登場する人物たちがからむ伏線が用意されている模様。
正直物語としてのインパクトは薄いというか地味の一言につきるのですが、この漠然とした空気が魅力的。さりげなく事件の構成は緻密で読み応えがあるところも良。
そこはかとなく主人公２人の設定や状況がBLっぽいと思うのは、作画担当がBL作家だからなのか私の脳みそが腐っているからか。つか多田が無精ひげの冴えないおじさんタイプの多田と憂いのあるジゴロ系イケメンの行天のキャラデザはユギさんのBL作品とシンクロするからか。
原作：三浦しをん / 漫画：山田ユギ
花とゆめコミックススペシャル全４巻 / 白泉社
ジャンル：少女・ドラマ / 好み度：★★★★☆