君と僕のアシアト ~タイムトラベル春日研究所~をAmazonで見る
時間にして過去20年、距離にして市内全域をスキャンしたデータを脳内に投影し再現する技術を持つタイムトラベル研究所を舞台にした人間ドラマ。
研究所が行うタイムトラベルは脳内に過去の映像を投影するので厳密には時間旅行ではなくタイムパラドックスも起こりません。研究所にタイムトラベルを望む人がやってきて、当人の知らない事実を知るもしくは過去をリアルに振り返って次に進むための足がかりにするといった展開。この1話完結の形でタイムトラベル研究所の設定の説明を兼ねた人間ドラマが描かれた後、話は女性所長自身に焦点があてられ、10年前にある災害が起こっており所長はそのときに奇跡的に生還した人物ということが描かれています。
物語の舞台が2022年だから10年前というと・・・。ということか。
主人公たちが住む市内という限定された地域が舞台ですがけっこうグローバルな話になるのかなー。中盤になって込み入った世界設定なのに気づかされるという。
ドラマとしては大仰すぎずあっさりしずぎず後味の良い練られた構成で読み応えあり。1巻帯のコメント通り、歴史とは主観によって成り立っているということを痛切に感じる内容。今後の所長自身の物語が気になるところ。
どうも「よしづきくみち短編集君と僕のアシアト」という短編集に収録された話の続きのようですが短編集を見なくても問題はない模様。
よしづきくみち
ジャンプコミックスデラックス全6巻 / 集英社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆