恋人の裏切りから借金の取立てから逃れる青年諒一。放浪の後嵐の中で絶望する中奇妙な広告チラシを入手、その茶屋にたどり着く。オリエンタルな雰囲気を持つその店の主は穏やかな雰囲気を持つ青年で、テンぱる諒一を暖かいお茶でもてなす。行くあてがない諒一は茶屋で手伝いをすることになるが茶屋の近所の住人はどこかそよそよしい。それは店主が元ヤクザという素性だからだと知る諒一だが。
周囲の目を甘んじて受ける孤独な店主に惹かれる諒一。感情の起伏が激しくいい意味で純朴な諒一と基本的に表情が乏しい店主とのコントラストと会話のやりとりが魅力でした。
BLというより人間ドラマの色合いが濃いタイトルかな。諒一と店主との交流、諒一と裏切った恋人との話と借金問題、店主の過去と身内との確執が展開。人間関係とその過程の構成や感情描写はスタイリッシュなのですが逆をかえせば感情移入しづらいともいえるかも。ちょっとあっさりしてるかなという印象というべきか。個人的にはあまりドラマチックすぎるのも疲れてしまうのでちょうどいい温度でしたが。
BL表現の割合はかなり少なめであくまでドラマに重点が置かれている模様。せつなくほのぼのとした恋愛過程が好きという人にお勧めなタイトル。
槇えびし
ミリオンコミックスCRAFT全1巻 / 大洋図書
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★☆☆