"文学少女"と死にたがりの道化(ピエロ) 高坂りと / 野村美月

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「元天才美少女作家」の少年と「本をちぎって食べる妖怪」の少女が織り成す学園ミステリー。同名ライトノベルのコミカライズ。
主人公の少年は中学のときに小説を投稿し賞をとるがペンネームと文体から少女と勘違いされそのまま覆面美少女作家として売ることになる。しかしプライベートで起こった事件とと執筆のプレッシャーから沈没、1作のみで作家活動を終え精神的にもまいってしまう。そして高校入学後ようやく立ち直りをみせたころ文芸部の女生徒の先輩と出会う。その先輩は本をちぎって食べその味を味わうという性癖を持った妖怪だった。
主人公は過去の作家活動とか、ある事件でのトラウマとかがぐるぐるまわったり、他者とさしさわりのない関係を築くための行動を同級生に暗にとがめられたり、妖怪な先輩に翻弄されたり後輩の恋文の代筆をさせられたりと忙しい。ことがあるたびに不安定で苦悩が全面に出る心理描写が描かれています。
文芸部の先輩は・・本を食べる妖怪・・妖怪なのか変な人なのか?見た目はおさげの美少女ですが。先輩は本ならなんでもいいわけじゃなく気に入った文章が書かれた紙を食べることを至高の喜びとしているという設定。文学が「好き」なので文学少女・・ですか。
基本設定は学園もので恋愛ものなのですが少々とっつきにくい特異な設定もあったりでちょっとどまどったりも。まあ話の肝はファンタジーミステリなんだと思うのですが。
思春期特有の苦悩と交流、心理描写は自然ですんなり物語に入れ、かつミステリ部分も興味をそそる構成。作画と原作小説の作風がばっちりあってると読みやすいですね。
学園生活の描写の間に差し込まれる病み系モノローグがタイトルの道化なのかな・・・。原作未読なので続きが気になる。

原作:野村美月 / 作画:高坂りと/キャラクター原案:竹岡美穂
ガンガンコミックスJOKER全3巻 / スクウェアエニックス
ジャンル:少年・ミステリ / 好み度:★★★☆☆

葬式で泣けないってとこ。以前、身内の葬式のときにうるっときたときに、親戚のおばちゃんから青春ドラマ張りな、くっさいはげましを受けて涙がひっこんじゃって。以来人前で泣けなくなったのを思い出す。周りは薄情だと思ってるんだろうな~。